フラワービジネス最先端

    • 2016年9月12日

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      ㈱大仁 HANAMO[千葉県市原市]
      “フラワービジネスの可能性を求めて挑戦し続けた70年!”

      “こころ温まる幸せの花贈りを通じて、人と人・心と心を繋ぐコミュニティの役割を担いたい”と、地域の貢献にも積極的に取り組んでいる大矢社長。「沢山の人に沢山のお花で笑顔を届けたい!」その想いで、あらゆるフラワービジネスに挑戦し、いまなお進化を続けているHANAMOさんを訪ねました。

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      HANAMOの大矢みな社長

      [Q]創業70周年ということですが、HANAMOさんの歴史を簡単に教えて下さい。

      戦後間もない頃、生け花の先生だった主人の祖母が千葉県茂原市で小さな花屋を始めました。「はなも」の「も」は茂原の「も」です。時は高度成長期。お花の流通消費も盛んになり2代目に代替わりした40年程前に4階建ての自社ビルを建設、婚礼事業や葬祭事業なども手がけ、鰻登りに業績を上げました。しかしバブルがはじけ、不況の波にあえなく飲み込まれ、一気に厳しい状況に。その時一大チャレンジしたのが男性向け雑誌に大金をはたいて掲載したクリスマスフラワーギフトの通販事業でしたが、見事に大失敗!それでも挫けずに切り花の輸入業やフラワーギフトのネット販売、ギフトショーや展示会への出店など、いろんなことにチャレンジしてきました。

      [Q]具体的にどんなフラワービジネスを展開してきたのでしょうか。

      カジュアルフラワーが流行りだした20年ほど前に量販店向けのパック花の加工卸売業と、物日のフラワーギフトの委託業務を始めて現在も弊社の主力事業となっています。同じ頃、切り花や花苗をケースごと売る激安花店を出店しましたが、安く売りすぎて1年で撤退。台湾と韓国から菊やバラ、ユリ等を輸入する事業も為替の変動や流通コストの高騰があり約3年で撤退しました。楽天市場などのWeb販売も早くに参入、また市場の流通業も手掛けていて一時は90人を超えるスタッフが在籍、売り上げも10億の大台に乗った年もあります。「日本中をはなもの花でいっぱいにする!」をスローガンに攻めの姿勢で販路を拡大してきた中で、沢山の失敗や経験を積んできました。

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      HANAMO市原店の外観

      [Q]紆余曲折があった上で、現在の主たる事業内容を教えてください。

      「沢山の人に沢山のお花で笑顔をお届けする」創業時の基本理念は変わっていませんが、大量生産・大量販売からお客様の顔が見える事業へと、時代とともに変わってきました。小売店、フラワースクール、フラワーギフトの委託業務、冠婚葬祭装花、出張教室等、地元密着型の生花販売事業を中心に展開しています。量販店向けのパック花加工卸売も地元のスーパーさんとのお取引が増えています。これまで何とか歩んできたのも、地元の皆さんに支持いただいたお蔭です。その感謝の気持ちを大切に、人々の心をホッと温めるような、幸せの花贈りで地域に貢献していきたいです。

      [Q]「はなも」として大切にしている信条はなんでしょう?

      「お花というモノを売っているのではなく、そこに込められた想いを伝えるのが最大の役目」という考え方です。大量のフラワーギフトを発送する時も、品質や梱包形態のチェックフローを確立したのはもちろんのこと、品質保証カードや個別のメッセージカード、贈った方へのお礼状ハガキも添えます。スタッフの接客技術を高める為に「気づきと声掛け運動」を展開。小さな気づきをお互い共有することによって全スタッフがいつでも最高の接客ができるよう心がけています。

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      1つ1つの花束に想いを込めて

      [Q]最高の接客をするためにはスタッフのモチベーションが大切だと思いますが、何か工夫されていますか?

      「お花のようなお花屋さんになって、夢を持って夢を売ろう!」弊社スローガンの一つです。私は、スタッフ達がいつも笑顔で楽しく過ごしてほしい、と願っていますが、自分自身が満足した生活を送っていないと心からの笑顔は出ません。朝起きて自然と笑顔がこぼれるような人生を送ってほしい。その為に、社員が誇りに思える会社を作り、皆がのびのびと輝ける仕組みを作るのが私の使命だと考えています。年に2度、全スタッフと面談をして悩み等を聞き、そこで出た意見を積極的に取り入れ、みんなの力で良い会社、良い環境を作るんだというマインドを育んでいます。

      [Q]スタッフ同士のコミュニケーションを円滑にするために何かされていることはありますか?

      業務内容もスタッフの年齢層も違う、言うなれば文化が異なる4つの部門の隔たりを無くして、相互協力をするためにどうしたらいいか、何年も悩みながら出した答えは「気楽に楽しめる環境を作る」です。昨年より実施している「委員会制度」もその一つで、「運営委員会」「マーケティング委員会」「技術向上委員会」「レクレーション委員会」を各部門から何名か希望者を募って構成しています。PDCAサイクルに基づき、みんなで力を合わせる委員会活動を通して、スタッフ間のコミュニケーションが自然と取れるようになりました。各店長や部門長の負担を軽減して、各自が自主的に行動できるような仕組みを作るのが委員会活動の目的です。

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      マーケティング委員会が中心になって、年5回のフラワーギフトカタログを発行

      [Q]各委員会の運動はどのように行われているのでしょうか。

      各委員会が毎月一回のミーティングで目標を設定し、担当を決めて日々の活動をします。例えば技術向上委員会では「お互いの技術について意見し合える雰囲気を作る!」を目標にして「社内検定制度」を作りました。年数の若いスタッフでもベテランスタッフに意見を言える、そんな切磋琢磨の社風を構築する土台作りになっています。レクレーション委員会では70周年記念イベントやスタッフの懇親会等を企画、みんなの意見を自由に取り入れて楽しく活動しています。

      [Q]お客様に対するマーケティング活動は、具体的にどのようなことをされていますか。

      地元の企業や商店とのコラボレーションを積極的に進めています。協働でイベントを企画したりチラシを作ったり、SNSを利用した協働の広報活動で若い層の新規顧客がこの3年間で2000人程増えました。口コミや話題性で集めたお客様を「はなもくらぶ」会員として登録していますが、現在2店舗で約13000人の会員様がいます。但し、何年も来店されない会員の割合が増えてきたのでアプローチの方法を模索しています。休眠客を固定客に、固定客を10年顧客に育てるための戦略を「マーケティング委員会」で研究しています。お客様のリピート率を上げるには総合的なサービス向上が必須なので一夜には実現できませんが、地域活動と連動して長期的に取り組んでいます。

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      沢山の生徒さんの笑顔があふれるフラワースクールの風景

      [Q]今一番力を入れている事業はなんでしょうか?

      スタッフもお客様も一体となって、楽しく展開しているのが「はなもフラワースクール」です。25年ほど続いていて、5つのコースにスタッフが講師となって、毎回沢山の生徒さんで賑わっています。特に「夏休みこどもお花教室」では地元の小学校の協力も有り、3日間で約90名の子供達が楽しく学んでいます。施設や学校、商業施設への出張教室も増えています。より質の高い教室を運営するために「花育アドバイザー」の認定資格や「フラワー装飾技能検定資格」取得にも積極的に取り組んでいます。

      [Q]今後の展望をお聞かせください。

      これまで数々の挑戦と失敗を繰り返して来ましたが、正直、未だはっきりとした成功の道筋を見つけられずにいます。「心温まる花贈りを通して人々に笑顔と幸せを届けたい!」この想いを大切に、地域の皆様から愛され続けるコミュニティの場としての役割を担っていきたいと思っています。30年後の「はなも創業100周年」には世界に誇る花屋として堂々と皆様にご挨拶をさせて頂きたい!その目標に向けて、高い志を持つ可愛いスタッフ達と共に学び成長し、関わる全ての人たちの幸せをサポートできるよう、一歩一歩前に進んでいきたいと思います。



      (写真=大矢みな、インタビュー・文=山﨑年起)

      【Shop Data】

      社名: 株式会社大仁
      住所: 千葉県市原市白金町5-14-5
      電話: 0436-24-4187
      HP: http://www.hanamo.co.jp
      株式会社大仁
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