フラワービジネス最先端

    • 2016年10月3日

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      フラワーショップみなと[広島県広島市]
      “お買い上げいただいた後も喜び・満足”

      花の日持ちに徹底してこだわることで、広島地域の人々から信頼され、愛されているのがフラワーショップみなとさん。『初めてのことは、先ずやってみる』の精神で、新しいことにチャレンジし続けている取締役常務の山下泰斗さんに、その想いをお聞きしました。

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      フラワーショップみなと 山下泰斗さん

      [Q]フラワーショップみなとの沿革を教えて下さい。

      昭和21年にみなと花店として開業したのち、昭和54年に初代の甥にあたる先代社長が(有)フラワーショップみなとを設立しました。元々は、稽古花などで大きくなった会社ですが、今はほぼ100%が店舗小売りでの売上となっており、お花の日持ち(鮮度)にこだわり、『お買い上げいただいた後も喜び・満足』を感じて頂けることを旗印に、広島市を中心に小売5店舗+本部を展開しています。現社長の坪原真里が3代目で、全くの畑違いの仕事をしていた私をひろってくれた恩人であり、『優しさにあふれている』という風土を作り出しています。現在は、社長の花屋のノウハウと、私の異業種のノウハウを合わせて『初めてのことは、先ずやってみる』をもとに、切磋琢磨しています。

      [Q]フラワーショップみなとのこだわりは、何でしょうか?

      お花の日持ち(鮮度)には一番のこだわりを持っており、お客様の期待を超える満足を求めて、日持ち保証販売を業界内では早い時期から導入しました。具体的には、2013年1月14日から一部の店舗で、翌年2014年1月14日からは全店舗でスタートし、徹底した商品管理・品質管理によって商品劣化による交換クレームは0件と、お客様にもご満足頂いていると感じています。

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      花き日持ち性向上対策品質管理認証の証明書

      [Q]日持ち保証販売には二の足を踏む花屋さんが多いですよね。

      当初は不安も大きかったですが、これも『初めてのことは、先ずやってみる』の一つとしてすぐに導入を決定しました。また、日持ち保証販売の精度をさらに向上させるために、農林水産省の実証事業である花き日持ち性向上対策品質管理認証の小売部門を2015年3月3日に、流通部門を2016年1月25日に取得しています。水やハサミの菌数検査や温度・湿度管理、滞留日数など多くの検査項目をクリアしており、切花の鮮度の向上に寄与していますね。

      [Q]岐阜花き流通センターが選ぶ生花店の『五つ星』に認定されていますね。

      『五つ星』は、花の販売においてスタッフの知識・対応などを評価して、日本・香港・台湾で107店舗のみに認定したものです。地域柄、鉢物の需要も多く地域に根差した商品構成を心掛けているからこそ、岐阜花き流通センターさんに認めて頂いたのだと思います。これらはお客様のご満足だけでなく、社員全員の商品管理・品質管理などへの意識向上に大きく影響しており、会議などでの発言も変わってきています。私としても予想外の喜びのひとつになっています。

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      フラワーショップみなとのイベント例

      [Q]接客に関しても相当力を入れられているとお聞きしています。

      4年ほど前に皆の前で『接客はどこにも負けない日本一になろう』と言ったことがあります。売上日本一は難題がたくさん見えてしまいますが、接客は自分たちが変われば自然と向上していき口コミでひろがるもの。店舗スタッフが小売業にとって接客は重要な要素だということを強く意識しています。現在はアパレルなど参考になる業界の例を勉強会の題材にしています。

      [Q]みなとさんは非常に面白いイベントを沢山されていますよね?

      お客様参加型イベントを定期的に開催しています。お花屋さん体験、アレンジメント製作体験、ブーケ製作体験、赤い花を持ってカープを応援せんといけんじゃろ~フェア、お花の川柳大会、などなど。生活圏の花屋さんである4店舗では特に好評で、お客様との信頼関係を築き、固定客化につながっています。また、花育という言葉も社内で定着し始め、上記のイベントをお子様限定にしたり夏休みには花育てセットの販売を行ったりもしていますね。

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      BBQパーリーの様子

      [Q]従業員に対する研修はどのようにされていますか?

      私が入社して驚いたことの一つが、経営コンサルタントの先生の講義を全社員が毎月1回受講していることです。経営幹部が研修に・・という話はよく聞きますが、みなとではアルバイトを含む全社員が参加しています。30年以上続いていることもあり、一般のアルバイトさんが聞き慣れない単語などへの嫌悪感(?)は低く企画会議などで大きく役立っています。数年前からは、より実践的な内容を求めて店長会議の定期開催を始めました。『考える力・伝える力・聞く力』を養うことが目的で、会議内の1時間は持ち回りで店長が議長となり『即実践できる議題』を自分で考え、時間内に新しい取り組みを決議し即実践するようにしています。2016年8月で33回目になりますが、店長の成長を大きく感じ取ることができています。

      [Q]従業員を大切にする経営者の姿勢が非常に伝わってきますね。

      社員の和が会社の風土を形成するために・・・、といえば大げさかもしれませんが、みなとBBQパーリーも今年で3回目と恒例となりました。お肉に、お酒に、豪華景品に、子供たち(家族参加)、全員が笑顔と家族の大切さを共有し、『優しさにあふれている』風土を形成・体感できる時間となっています。

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      店舗の様子

      [Q]最後に今後の展望をお聞かせください。

      みなとでは、5店舗全てを大型ショッピングモールやスーパーのテナントとして営業しています。しかしこの数年で3つの大型ショッピングモールが、みなとの旗艦店近くに既に出店または出店予定が決定しています。これまでのマイナーチェンジではなく、大きなフルモデルチェンジが必要な転換期を迎えています。現在の計画では、2店舗の改装やHPリニューアル、支店間のオンライン情報共有ツール導入、新商品開発などを予定しています。これまで培ってきた経験と知恵を生かし、さらなる成長をもとに、みなと一丸となって『生き残るためではなく、成長を続けるために』結果を残していきたいと決意しています。



      (写真=山下泰斗、インタビュー・文=山﨑年起)

      【Shop Data】

      社名: 有限会社フラワーショップみなと
      住所: 広島市西区井口5丁目25-15
      電話: 082-278-3065
      HP: http://flowershop-minato.com
      フラワーショップみなと
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