フラワービジネス最先端

    • 2016年9月19日

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      フローラルポート[福岡県北九州市]
      “笑顔の花を咲かせます”

      「花は売れば売るほど社会貢献になる!」そう自信たっぷりに笑顔で語るのが、北九州市のフロワーポートの福田智雪さん。全く花と縁のなかった前職から、紆余曲折を経て、リピーターに愛され続ける花屋を創りあげた福田さんに、その真髄をお聞きしました。

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      フローラルポート店主、福田智雪さん

      [Q]フローラルポートの沿革を教えて下さい。

      1993年のフローラルポート開業以来、色んな形態の花店を行ってきました。生花のケータリングによるカジュアルフラワーの販売に始まり、スーパーマーケットへのインショップ、路面店での生花店。結婚式場とタイアップして婚礼業務も行いました。その後JR小倉駅にフラワーワゴンスタイルのカジュアルフラワーショップ「フルールマルセル」をオープン、その後フルールマルセル2号店を地域で一番大きなショッピングモール、リバーウォーク北九州にオープンしました。結局、リバーウォーク店以外は閉店し、そのリバーウォーク店も施設のリニューアルに際し閉店。今の店舗に移り、フローラルポートとして再出発して4年が経過しました。

      [Q]短期間にかなり出退店を繰り返されたのですね。

      色んな花店の業態を経験した上に出した答えは「既存のお客様を大切にする」と言うことです。今では売り上げの約7割がリピートしていただくお客様です。お得意様にお花をご利用いただく提案をさせていただき、お花を贈るのが好きなお客様のご利用回数を増やすことで、もっとお花の素晴らしさが沢山の方に伝われば良いと感じています。

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      フローラルポートの店内風景

      [Q]福田さんは全く違う業界から花屋さんに転職なさったとか?

      花屋になる前はアパレル関係の仕事をしていました。花屋を志す前は花を買ったことが2回ありました。いずれも食事制限がある方へのお見舞い用途でした。学生時代はバスケットボールばかりやってたバリバリの体育会系です。花屋をやると決めるまでバラとカーネーションの区別さえつきませんでした。

      [Q]なぜ花屋さんになったのでしょうか?

      大学を卒業して、先輩に誘われるままに前職の会社に入社しました。元々好きな洋服関係でしたし、入社試験受けたら通っちゃったし(笑)。初めの頃は好きな洋服に関して勉強もさせてもらえるし、社割りで新作の洋服も買える。楽しいことばかりでした。それが2年目頃からは取引先の店舗を任されるようになり、それなりの成績を収められるようになると、色んなしがらみや軋轢で仕事や会社に対する不満が溜まっていきました。そんなとき東京に就職していた高校時代の友人が家庭の事情から仕事を辞めて地元で商売を始めたいと言いだし、それに「乗った」形で一緒に商売を始めることを決めました。ただ肝心の何をやるか??毎晩色んなことを話ながら行き着いた結論が「これからは人に喜ばれる仕事をしなきゃならない」。そんなことから「花屋は?」と言う話になり、調べてみると資格もいらないし、修行したら出来るんじゃないかと。それで二人で修行し、花屋を開店させました。今思えば若さの勢いだけでこの世界に入ったようなモノです。花の名前を覚えることから苦労しました。

      [Q]福田さんとして大切にされている考え方を教えてください。

      そんな経緯ですから、しばらくは花に対する思い入れも、それほどありませんでした。極端に言うと「儲かって、よく売れる花が良い花で、それを効率よく売るには・・」的な考え方です。当然そんなことでは売り上げは思うように伸びず、試行錯誤ばかりでだんだん経営も苦しくなってきました。そんなとき、後に人生の師匠と呼ぶ方と出会い、色々なことを学びました。「生き方」を学ぶうちに考え方が変わっていき、今では「商売はお客様のためになってこそ。お花をお買い上げいただくことは社会を笑顔にさせること。花屋という商売は、花を売れば売るほど社会貢献になっているんだ!」と自信を持って仕事をしています。その上で大切にしていることは「凡事徹底」「率先垂範」です。

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      出し続けて7年。ニューズレター

      [Q]「凡事徹底」「率先垂範」…、もっと具体的に教えていただけますか?

      人の行動の中で一番難しいのが「やり続けること」です。誰もが出来ることを、誰もが出来ないくらいにやり続けると違う世界が見えてきます。例えば、当店では毎月お客様にニューズレターをお送りしています。今、第86号を発行したところで、かれこれ7年以上になる。お客様との距離を縮め、お客様に忘れられなくなると自ずと売り上げは付いてくる。お陰様で毎年売上は2桁伸びています。何事もやり続けることで結果を出していきたい。また「率先垂範」は、学校では先生がこちらを向いて一方的に話すだけでは、学生はその先生について行こうとは思えないのと同じように、仕事もスタッフや周りの人に背中を見せて、自ら嫌なことも率先してやることで周りの援助が得られる。当店では、多くの人が嫌がる掃除こそ、店主が率先してやることだと思っています。それも凡事徹底、やり続けます。

      [Q]小売のお話が中心ですが、お店の業務として小売以外にどんなお仕事をされていますか?

      他の花屋さんに驚かれますが、当店は小売以外の仕事は一切やっていません。それも8割がギフト。他の花屋さんは生け込みや、婚礼、葬儀、お稽古花など定期の仕事を持たれてるところが多いのですが、当店は全くありません。ですので、お客様に対するアプローチや接客、電話応対に全力を注ぎます。「めずらしい花が沢山ありますね」と店頭に初めてお見えになるお客様によく言われますが、特にめずらしい花の仕入れに工夫を凝らしてしているわけでなく、小売で販売する以外の花を仕入れないので、店頭にギフト商品をお求めになる方には、そう映るのだと思います。今の時代、自店のお客様の定義を決めセグメントして、そのお客様に期待以上の商いをさせていただくことで、選ばれる生花店になれるのだと思っています。

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      お客様の困ったを解消するスタイルブック

      [Q]その他、独自のサービスや工夫されている点はありますか?

      昨年「花き日持ち品質管理認証」を取得しました。これは産地、輸送や花市場、花店が手を取り合って日持ちする花を販売していこうという認証制度です。当店では生花を鮮度保証して販売しています。その一環として商品にはすべて「メンテナンスカード」という“お手入れのしおり”を付けています。切花には鮮度保持剤をお付けして、その使用方法もレクチャーしています。また、一度お買い上げいただいたお客様には「スタイルブック」と呼ぶ“お花の注文を手助けするチャート式のカタログ”のような冊子をお送りしています。お客様がお花を注文されるとき「何から伝えていいか分からない」「どんな商品を選んだらいいか分からない」などのご不便を解消出来るツールです。更に店頭にも大きなスタイルブックをご用意し、お客様が商品を選び易いような工夫をしています。

      [Q]今後の展望をお聞かせください。

      花の専門店として、お客様の期待値を上回る仕事をしていきたいと思っています。POSレジ、クレジットカードのスマホ決済、お客様情報の収集など、当店は他店よりITの導入にも積極的です。今後も時流に合った技術を導入し、それらを活用することでお客様へ心のこもった販売をしていきたい。まだまだ使い切れていない機能や分析などを駆使し、お客様の期待値を自ら上げながら、それを超えていきたい。そうすれば、もっとお花をお買い上げいただける。そうすることで当店が、そして社会が明るくなる一助になれる。そう信じています。利便性に関しては、スマホやPCで事前に調べてからお問い合わせいただく方が増えています。WEBサイトをスマホ対応にして見やすく、自店の特色が出るHPに変更しましたが、まだまだこのサイトを上手に使えるのでは?と感じています。WEB販売に力を入れるという意味ではなく、あくまでもリアル店舗を補完するツールとして、やりきれてない部分に着手していきたいと思っています。



      (写真=福田智雪、インタビュー・文=山﨑年起)

      【Shop Data】

      社名: フローラルポート
      住所: 福岡県北九州市小倉北区大手町3-1コープ野村大手町105
      電話: 093-581-6456
      HP: http://www.floralport.jp/
      フローラルポート
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